もりさこりさ個展「ムード・インディゴ」

2023年10月13日(金) - 29日(日)
1-7 pm

休廊日:月・火・水曜日
入場無料
オープニング・レセプション:10月13日(金)6-8pm
*オープニング・レセプションはどなたでもご参加いただけます。

もりさこりさ個展「ムード・インディゴ」展示風景
もりさこりさ個展「ムード・インディゴ」展示風景
もりさこりさ個展「ムード・インディゴ」展示風景
もりさこりさ個展「ムード・インディゴ」展示風景

下北沢アーツは、もりさこりさ個展「ムード・インディゴ」を開催いたします。もりさこりさは2003年東京都生まれ。2022年東京学館船橋高校美術工芸科卒業、2023年現在多摩美術大学絵画科油画専攻2年在学中。高校3年生でのFACE2022入選を初め、受賞・展示多数、将来を嘱望される次世代ペインターです。

FACE2022で展示されていたもりさこりさのF100号、《私は石鹸ガール》、後にその作品を描いたのが高校生だと気づいた時は衝撃を覚えました。コロナ禍での経験を踏まえ、人生の痛み、悲しみが、懐かしい、そして色気も感じる絵の具遣いで表現されていたからです。
「幼い頃からものづくりをする人に憧れていた」というもりさこりさは美術系の高校を卒業後、2022年に多摩美術大学に入学し、これまでに約20回のグループ展や個展に参加しています。たくさんのオファーを受けつつ、展覧会を仲間と自主的に企画するなど、能動的・精力的に活動しています。将来の夢は画家でも小説家でもなく「作家」だったというもりさこりさは幼い頃から生きたかった人生を着実に歩み始めています。

もりさこりさ作品の大きな魅力の一つが巧みな絵の具遣いです。こんな風に絵の具と仲良く描けたらそれは楽しいだろうなと思わせるのです。芳醇な色遣いで表現される作品は具象から抽象まで幅広いですが、そこにはいつも人生における愛しさ、哀愁が描かれています。大人になるにつれ向き合うのをやめていた自分の中の気持ちが呼び起こされるようで、甘いだけではない痛みも伴う懐かしさを覚えます。もりさこりさは愛する小説から人生の喜び・悲哀、心の機微を浴びるように吸収したのでしょう。日々の小さな浮き沈みに寄り添うようなもりさこりさの作品は、火が灯った一本の蝋燭のように、鑑賞者の内面をそっと照らし、それにより明日を生きる力が静かに湧いてくるように感じます。それは社会における芸術の最も大きな役割の一つではないでしょうか。

「言葉はとても繊細で難しいものだけれど、それが絵と合わさったとき、想像の幅をさらに広げる」というもりさこりさの言葉と共に、「自分に描けるものは全て描いてからこの世を去りたい」という気迫あふれる若きペインターの進行形の物語をぜひご堪能ください。

個展「ムードインディゴ」について

本展覧会を構成する作品群はフランスの作家ボリス・ヴィアンの小説「日々の泡」にインスピレーションを受け制作したものです。それに因んでデューク・エリントンの「ムード・インディゴ」という楽曲名を引用してタイトルにしました。

カクテルを作れるピアノ
蛇口から顔を出す鰻や、結末を見届けてくれるハツカネズミ
部屋や窓は自ら形をかえてゆき、まるで愛の巣。

20世紀の恋愛小説中もっとも悲痛な小説と呼ばれ、純粋で残酷な3組の恋人たちの繰り広げる物語は、悲しい結末へ抗えません。
シュールで美しいひとつひとつの場面は鮮明に焼き付いているけど、全ては泡のように消えてしまう。
人間というものはなんて、純粋で残酷なんでしょうか。

あなたの記憶に眠る想い出のあの人を、
もう一度思い出して鑑賞していただけたら幸いです。
ムードインディゴに包まれて

制作コンセプト

並行する別世界について描いています。
現実で革命や戦争が起これば向こうでも起こりますし、彼らは現実と並行世界とで2つの姿をもっています。
その姿は私が描くことによって可視化され、まるで本当に息づいているような手応えを感じています。描写において具象と抽象の間を揺れ動くのはその情景の解像度が異なるからです。

生きる上での不条理、夢のように幸福な出来事、言葉と共に物語を紡ぎながら描いてゆきます。多角的に鑑賞していただけると本望です。
どこまでが真実かもわからない複雑にできた世の中ですが、守るべき尊厳の為に私は描くことで主張し続けます。
そして描かれた人物が、また新たな物語の語り部となるでしょう。

もりさこりさ《夜渡り上手》2023年, キャンバスに油彩, 162x112cm(P100)
もりさこりさ《哀とよろこびを教えてくれた人》2023年, キャンバスに油彩, 116.7x91cm(F50)
もりさこりさ《ふくよかな・からだ》2023年, キャンバスに油彩, 65.2x53cm(F15)
もりさこりさ《月と分身》2023年, キャンバスに油彩, 41x60.6cm(M12)

もりさこりさ
2003年東京都生まれ。
2022年 東京学館船橋高校美術工芸科卒業。
2023年 多摩美術大学絵画科油画専攻2年在籍中。
好きな作家・影響を受けた作家:藤田嗣治、ハマスホイ、ルドン、ヘンリー・ダーガー、金子國義、宇野亜喜良、近藤聡乃、ルソー、シャガール

個展
2023年
個展「庭のはなし」スペースくらげ
2022年
個展「お月様のいたずら」代官山ヒルサイドテラスE棟サロン

グループ展
2023年
WHAT CAFE EXHIBITION vol.28
グループ展「人」長亭ギャラリー
グループ展「Arts Students STARS」+ART GALLERY
2022年
グループ展「みんなだいすき。」スペースくらげ
東京堂書店
GINZA COLLECTOR’s CLUB 銀座蔦屋書店
WHAT CAFE × WHYNOT. TOKYO EXHIBITION
グループ展 Roots-居場所と拠り所- gallery re:tail
グループ展 Insight II 2022 GALLERY AND LINKS
グループ展 -ECHO- blanc gallery
日動画廊 第57回昭和会展 日動画廊
FACE2022展 SOMPO美術館
グループ展「ゾンビがいる絵展」 galleryスペースくらげ
2021年
学展 国立新美術館
第6回星乃珈琲店絵画コンテスト 星乃珈琲店
世界絵画大賞展 東京都美術館
全日本学生美術展 東京都美術館


受賞
2022年
日動画廊 第57回昭和会展 入選
FACE2022展 入選 SOMPO美術館
2021年
学展 優秀賞 国立新美術館
世界絵画大賞展 入選
第6回星乃珈琲店絵画コンテスト 準グランプリ
2020年
環境教育ポスターコンクール 文部科学大臣賞