鈴木蒼空個展「犬になる夢を見たい」

2023年7月29日(土)-8月14日(月)
1-7 pm

休廊日:月・火・水曜日
8/11(金・祝)、8/14(月)営業。
入場無料
オープニング・レセプション:7月29日(土)5-7pm
*オープニング・レセプションはどなたでもご参加いただけます。

鈴木蒼空個展「犬になる夢を見たい」展示風景
鈴木蒼空個展「犬になる夢を見たい」展示風景
鈴木蒼空個展「犬になる夢を見たい」展示風景
鈴木蒼空個展「犬になる夢を見たい」展示風景

下北沢アーツは、鈴木蒼空の個展「犬になる夢を見たい」を開催いたします。
鈴木蒼空は1999年愛知県生まれ。2023年愛知県立芸術大学美術学部美術科油画専攻卒業、現在、愛知県立芸術大学博士前期課程油画・版画領域在学中。本展が初個展、愛知県外初展示です。

鈴木は柴犬を愛し飼いたいと願いつつも、現在の住環境や飼うと耽溺のあまり普通の生活が送れなくなりそうだからという理由で一生飼うことは叶わないと思い込んでいます。また、ある冬、友人が持っていたカイロに毎日のように絵を描き、それを喜んでもらった経験から画家になることを思い始めました。そんな犬への偏愛、美術愛が脱力系古典絵画オマージュ作品を誕生させました。
鈴木はオマージュした作品についてどれも実物を観たことがなく、全て書籍や画像を参照し描いています。各名画の創作背景、寓意などを調べた上で、描かれた人物や動物を一人の個人、一匹の個性を持った命として向き合い、絵の中の人や動物がハッピーであれと個人的な想いを乗せ、時に大胆なデフォルメを加え創作しています。
まずは鈴木の絵画を一度ご高覧ください。その後、ぜひオマージュ作品の画像も参照しながらご鑑賞ください。思わず笑いの漏れるユーモア、アイロニー、哀愁を感じます。そして、そのあっけらかんとした創造に今も昔もハッピーだけではない現実を生きる私たち一人一人が、肩の力を抜き自然体で生きていく勇気を少しだけもらえるような気がするのです。

アーティスト・ステイトメント
「私にとってハッピーでかわいい世界」を見たいから描いている。
人間社会では、これまでも今もずっと、世界で身近で、どこかで悲劇が起こり、その悲劇を表現する芸術がある。
しかし私個人としては悲劇より喜劇が見たい。叶うならずっと笑っていたいし自然体でいたい。
真面目な顔をした名画の中の人たちも笑ったり、ぼーっとした顔をしたと思う。だから私は古典絵画に勝手に線を重ね、上書きを行う。
今も悲しいことは起こり続けているけれど、絵の中はなんでも叶うから、私にとってハッピーな世界に勝手に変えてしまおう。
そして私にとって宇宙一かわいい大好きな犬を添える。
私にとってのハッピーが私の作品を観た人にほんの少しでも伝わりますように。

個展タイトルについて
やりたいこと、叶えたいことのほとんどはすぐには実現できないし、ドラえもんのもしもボックスは存在しないから、毎日一歩ずつ頑張っていくしかないけれど、たまにはズルをして夢の中で叶えた気になろうって思うことがある。私にとって絵を描くことは夢を見ることと同じ行為である。絵画の中でならやりたいことを叶えることができるし、現実的に不可能なことも可能にできる。私は犬にはなれないけれど、夢を見ることはできる。

鈴木 蒼空(すずき そら)
1999年 愛知県生まれ
2023年 愛知県立芸術大学美術学部美術科油画専攻卒業
2023年 愛知県立芸術大学博士前期課程油画・版画領域在学中

グループ展
2022年
「Pre.」(河合塾美術研究所Art Space NAF、名古屋)
「1999-2000」(アート空間スカーラ、名古屋)
「toy pray」(市民ギャラリー矢田、名古屋)

鈴木蒼空《ペロ犬を抱く女》, 2023年, キャンバスに油彩, 145.5x112cm(F80)
*レオナルドダヴィンチの《白貂を抱く貴婦人》(1489-1490)を再構成した作品。貂から犬に勝手に変え、上から落書きのような線を書き足した。タイトルも韻を踏んでいる。
鈴木蒼空《英国王の犬》, 2023年, キャンバスに油彩, 130.3×97cm(F60)
*オマージュ作品:エドゥアール・マネ《キング・チャールズ・スパニエル》(1866)
鈴木蒼空《犬と四輪車に乗った子》, 2023年, キャンバスに油彩, 80.3×100cm(F40)
*オマージュ作品:クロード・モネ《馬の三輪車に乗ったジャン》(1872)
鈴木蒼空《ワンの忠誠》, 2023年, キャンバスに油彩, 65.2×53cm(F15)
*オマージュ作品:アーニョロ・ブロンズィーノ《愛の寓意》(1540-1545)
鈴木蒼空《to a part of me》, 2021年, 新鳥の子紙にアクリル絵具, 99.7×194cm
*オマージュ作品:ジャン=バティスト・ウードリー《2匹の鴨を狩っているバーベット犬》(1752)