森川瑳久個展「部屋Ⅰ」

2024年2月8日(木) - 18日(日)
1-7 pm

休廊日:火・水曜日
入場無料
オープニング・レセプション:2月8日(木)6-8pm

トーク・イベント
2024年2月11日(日)5-6pm
鈴木萌夏 × 森川瑳久
東京藝術大学大学院先端芸術表現専攻博士課程在籍中の鈴木萌夏さんと作家の森川瑳久が森川の作品について、アートについて、自由にトークいたします。お客様からのご質問もお受けします。ぜひご参加ください。

*オープニング・レセプション、トーク・イベントはどなたでもご参加いただけます。

鈴木萌夏 × 森川瑳久トーク・イベント風景
森川瑳久個展「部屋Ⅰ」展示風景
森川瑳久個展「部屋Ⅰ」展示風景
森川瑳久個展「部屋Ⅰ」展示風景

下北沢アーツでは、森川瑳久初個展「部屋 I」を開催いたします。森川瑳久は2001年東京都生まれ、2024年現在多摩美術大学グラフィックデザイン学科第3学年在籍中です。FACE2023入賞を初めとし、積極的に公募展に応募しており、その目を惹く作品には展示オファーが絶えません。油彩とオイルパステルによる少しくすんだ淡い色彩の絵画は優しいのみならず、少しの不穏さがスパイスとなり奥行きがあります。美術史が好きで、デザインを学んだ森川は作品の背景を大切に、持ち前のセンスで絵画でもセラミックでも二項対立的な要素を同居させています。展示を重ねるごとに作品が洗練されていく森川瑳久の満を持した初個展をどうぞご高覧ください。


アーティスト・ステイトメント

様々なものが同居する場としての「部屋」をテーマに絵画や陶器を制作しています。
山羊というモチーフは、神聖な存在としても、悪魔の象徴としても扱われ、両極端の観念を同居させる象徴として、私の作品の核心に位置しています。部屋という場所も同様に、善と悪、美と醜、秩序と混沌が同居する空間として捉えられます。
そういったモチーフから理想と現実のギャップや、未定形な感覚意識に焦点を当て、自己の内面や社会的な矛盾に対する新しい視点を模索しています。


森川瑳久「部屋 I」に寄せて 鈴木萌夏

森川は絵画とセラミックをメディアに、美しさと醜さ、表と裏、善と悪などの対立するようなイメージを同時に持ったモチーフを描くことで、自分自身の内面を表現した作品を制作している。度々登場する「ツノ」の生えた生き物も、ヤギのように悪魔的信仰の対象になったり、神聖なものとして扱われたり、矛盾を抱えた生き物として描かれている。シャツの中に入ろうとしたり、向こうの部屋へ行こうとする「魚」のようなモチーフや表情のわからない人たちも具象であることに変わりはないけれど、非現実的な構図であって、シュールとリアルを融解させながら油絵の具の優しい色彩で描かれている。
作品を見たときに浮かんだ印象は、私たち鑑賞者の無意識によって身勝手に解釈された印象であって、その意識とは何によって形成されたものなのだろうか。森川の作品にじっくり対峙していると、善と悪の間に/を入れて二つにするのではなく、その境界がちょっとだけ透けて重なっていることに気づく。その矛盾たちを当たり前のように、そして自由に同居させることのできるのが絵画であり、その矛盾を無限に格納できるのが「部屋」なのだろう。森川瑳久の内面が現れた絵画を見るとき、私たちは私たち自身の内面を見つめている。この「部屋」に点在する矛盾をひとつひとつ確かめながら。

森川瑳久《On the sofa》2023年, キャンバスに油彩,オイルパステル, 162x130cm(F100)
森川瑳久《Sheep man》2024年, セラミック, 釉薬, 31x35x50cm
森川瑳久《Fish boy》2024年, キャンバスに油彩,オイルパステル, 53x45cm(F10)
森川瑳久《Curtain in the window》2024年, キャンバスに油彩,オイルパステル, 53x45cm(F10)

森川瑳久(もりかわ さく)

2001年東京都生まれ
2024年多摩美術大学 グラフィックデザイン学科在籍中

好きな作家:セシリー・ブラウン、ジョン・カリン

展示

2023年
「True Colors」ARTDYNE, 東京
「biscuit gallery Christmas exhibition」biscuit gallery karuizawa, 軽井沢
「FACE2023選抜作家小品展」REIJINSHA GALLERY, 東京
芸術漂流教室2023年度中間展「晴れを無駄にした」美学校スタジオ, 東京
MEET YOUR ART FESTIVAL 2023 「Time to Change」B&C HALL, 東京
OIL ART MARKET 2023, nap palm, 東京
D-art,ART2023 名古屋, 松坂屋名古屋店, 名古屋
ACTアート大賞展優秀賞グループ展「叡」Art Complex Center, 東京
「過程/痕跡」MEDEL GALLERU SHU, 東京
「ヤギを抱える男」東京藝術大学 芸大食堂 ショーケース上野, 東京
GEISAI#22, 東京ビッグサイト, 東京
第41回上野の森美術館大賞展, 上野の森美術館, 東京
ACTアート大賞展2023受賞者展, Art Complex Center, 東京
ARTISTNEWGATE ファイナリスト展, あべのハルカス, 大阪
五美術大学交流展, 銀座洋協ホール, 東京
いい芽ふくら芽 in TOKYO 2023, 大丸東京, 東京
FACE2023, SOMPO美術館, 東京
2022年
長亭gallery展2022, changthing gallery, 東京
「∴」多摩美術大学八王子キャンパス, 東京
五美大交流展 小作品展, 3331 Arts Chiyoda 104ギャラリー , 東京
2021年
Liquitex the challenge 2021, 三鷹市芸術文化センター, 東京
「memento mori」新宿眼科画廊, 東京

受賞

2023年
「ACTアート大賞展2023」優秀賞
「第41回 上野の森美術館大賞展」入選
「いい芽ふくら芽 in TOKYO 2023」アートファクトリー賞,YOD gallery賞
「FACE2023」入選
2022年
「長亭gallery展2022」入選
2021年
「Liquitex the challenge 2021」リキテックス賞大学部門