近藤亜美「reflection」
今年東京造形大学を卒業したばかりの若手作家近藤亜美による日常と非日常の狭間の世界。
卒業制作展出展作品から最新作まで約10点を展示。
2022年7月30日(土)-8月16日(火)
* 会期1日延長しました!
1-7 pm
休廊日 火・水・木曜日
*8/16は開廊。
入場無料

下北沢アーツは近藤亜美個展「reflection」を開催いたします。
近藤亜美は2000年東京都生まれ。2022年東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻を卒業したばかりの若手作家です。
ありふれたモチーフを絵画上で再構成することにより、日常と非日常の狭間を見つけ出すことを試みています。
本個展が、学外における初めての展示です。
幼い頃から絵を描くことが好きだった近藤は美大入学後、自らの制作の方向性を模索する中、20世紀のイタリアを代表する画家ジョルジュ・モランディの画集と出会います。
抑えたトーンで描かれた日常的なモチーフや風景が、考え抜かれた光と影と構図により、その空間に広がりを覚えることに感銘を受け、その後の近藤の制作に大きな影響を与えました。
他に、アンドリュー・ワイエス、ディヴィッド・ホックニー、アレックス・カッツの作品の構図やマチエールなども制作の参考にしています。
2018-2020年頃は、グレーやベージュを基調とした抑えた色彩で光と影を捉えた作品を多く制作していた近藤ですが、徐々に、より身近なモチーフを色彩豊かに描くようになりました。
東京造形大学卒業制作展にて人目を引いた、バナナ、猫、犬、砂浜などをモチーフとしたF4号(33.3x24.2)からF120号(130x194cm)の計13点を組み合わせた近藤のプレゼンテーションは、一見ポップで親しみやすい作品群。しかし作品一点一点を観ていくと、違和感やそこから来る少しの怖さも感じ、第一印象とのギャップに不穏な雰囲気も漂うようでした。
視覚的な楽しみが豊富に用意された近藤の作品を観ると、様々な想像が頭を巡ります。次に、客観的に絵画全体を捉えると、微かな違和感が沸き起こります。近藤により見慣れた物が意図的にずらされているからです。鑑賞者は現実と非現実の間で行き来をするような感覚を覚えます。
近藤は、電車内に差し込む光、カーテン越しに注がれる光などに心地良さを感じると言います。
日常の中の非現実感、それにより起こる感覚や気づき、それが今の近藤の作品のテーマだと言えるでしょう。
本個展では、東京造形大学造形学部在学中に制作した作品、卒業制作展出展作から最新作まで、勢いのある油彩画約10点が並びます。ぜひご高覧ください。
作家ステイトメント
日常を過ごす中で目にしたものを描いている。
一つのモチーフに対して次のモチーフのイメージを頭の中で嵌めている。このことを私は イメージの「反射」と呼んでいる。その「反射」を筆を介し捉えながら、私自身(内側)が 日常(外側)から手に取ったどこにでもあるもの(モチーフ)に対して絵画空間の中で向き 合い、配置や整頓をすることによって日常と非日常の狭間を見つけ出そうとしている。








近藤 亜美(コンドウ アミ)
2000年東京都生まれ
2022年 東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻領域 卒業
ZOKEI展(東京造形大学卒業研究・卒業制作展)ZOKEI賞ノミネート