岩崎奏波・鈴木初音・福原優太「水面を覗く」

夏の終わりに水辺を想う。

2024年8月16日(金) - 9月1日(日)
1-7 pm

休廊日:月・火・水
入場無料

オンラインストアから、展示作品の一部をご購入いただけます。

展覧会「水面を覗く」展示風景
展覧会「水面を覗く」展示風景
展覧会「水面を覗く」展示風景

下北沢アーツでは、岩崎奏波、鈴木初音、福原優太による展覧会「水面を覗く」を開催いたします。
神話、小説、映画などから着想を得、神獣のようないきものとそれらが住まう幻想的な絵画世界を創り出す岩崎奏波、自ら手掛けた田畑で採取した材料を使い、素材から手作りした和紙やモルタルなどで透明感のある神秘的な画面を生み出す鈴木初音、日常生活で目にした風景を郷愁を誘う色彩と筆致で描き出す福原優太
本展覧会では、自らの表現を着実に磨き続ける新進作家3名による水辺をテーマにした作品が並びます。
夏の終わりに涼を呼ぶ、一服の清涼剤のような空間にぜひ足をお運びください。みなさまのお越しを心からお待ちしております。

鈴木初音《さわれない水面》2024年、木パネル、川砂、貝殻石灰、顔料、セメント、73.2×61.3×2.9cm(P6)
岩崎奏波《あさがくる》2024年、キャンバスに油彩、91×72.7cm(F30)
福原優太《Along theTama River》2024年、キャンバスに油彩、53×65.2cm(F15)


岩崎奏波(いわさきかなは)


1996年 沖縄県生まれ
2020年 多摩美術大学 美術学部 絵画学科 油画専攻卒業
2022年 多摩美術大学大学院 美術研究科博士前期課程絵画専攻油画修了

主な展覧会
2023年
12月 個展「めぐるものたち」OIL by 美術手帖ギャラリー(東京都渋谷区)
8月 個展「motion・decoration」THE LOOP GALLERY(東京都港区)
5月 個展「とおくをおもう」MATTER(東京都千代田区)
1月 個展「月はとなりの部屋に」KATSUYA SUSUKI GALLERY (東京都目黒区)
2022年
11月 個展「7本足で夢をみる」下北沢アーツ(東京都世田谷区)

アーティストステイトメント
記憶や物語をテーマに、描くこととそれを他者に共有すること、また絵画という空間が可能にすることを探りながら制作をしている。



鈴木初音(すずきはつね)


神奈川県生まれ
2018年 多摩美術大学美術学部絵画科油画専攻 卒業
2020年 東京藝術大学大学院美術研究科 絵画専攻 壁画研究分野 修士課程 修了
2024年 東京藝術大学大学院美術研究科 美術専攻 油画研究領域 壁画 博士後期課程 在籍中

展示
2024年
アートフェア「paper positions berlin」ドイツテレコムベルリン本店(ドイツ)
2023年
二人展 「A Breeze of Fresh Air」micheko galerie(ドイツ)
 アートフェア「Positions Berlin」テンペルホーフ空港 格納庫(ドイツ)
個展「点滅を掬う」下北沢アーツ(東京)
2022年
「ao展」アキバタマビ(東京)
2020年
個展「息をすると見える」ギャラリー美の舎(東京)
「東京ミズマチ 壁画制作」ワイズアウルホステルズRiver Tokyo(東京)

アーティストステイトメント

私は水のあるところを見つけると、よく覗き込みたくなります。
その周りに葉が垂れていたり、底に虫が蠢いていたりするからですが、
水の中とこちら側には異なる世界が流れているように感じます。

私は制作に水を使います。
材料を作るためであったり、絵を描くために水の有無による変化を利用します。
水は、それ自体が境目のような存在に感じられます。
そして、その周りを動きまわるものたちがいることにも気づきます。

うちには水に浸って根を腐らせた草の芽があって、
道には干からびて動きをとめたカエルがいます。

水辺のことを思うと、
足裏が浸っているときの感覚を覚えます。
ぴちゃり、というあの感じ。
皮膚のこちら側にもたくさんの水をたたえていることを、忘れているのでしょうか。



福原優太(ふくはらゆうた)


1997年 東京都生まれ
2020年 武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻卒業

展示

個展
2024年
「INPUT50000」BEAK585 GALLERY(大阪)
2022年
「三度目の正直-Last garden The Movie-」GINZA SIX 銀座蔦屋書店アートウォール(東京)
「The Garden once again」マキイマサルファインアーツ(東京)
「The garden」下北沢アーツ(東京)

グループ展他
2024年
「この愛は始まってもいない」NEWoMan YOKOHAMA(神奈川)
「Hello, Art」DAFT about DRAFT FLAGSHIP STORE(東京)
「grid3」biscuit gallery(東京)
2023年
「True colors」ARTDYNE(東京)
「biscuit gallery Christmas exhibition」biscuit gallery・biscuit gallery karuizawa(東京、長野)
「GENE世代を超えた遺伝子たち」gallery華(東京)
「nine colors」阪急梅田(大阪)
「grid2」   (biscuit gallery)(東京)
2022年
「LOVE&PEACE展 2022」SOGO広島(広島)
「nine colors」阪急梅田(大阪)
「ART IS…」WHAT CAFE(東京)
2019年
「introduction」S.Y.P Art Space(東京)

受賞
2021年 シェル美術賞2021 グランプリ

アーティストステイトメント

最近は絵を描くやり取りの中で自身にとっての特定の場所がどんどん変化していくことに面白さを感じる。千葉の海を描いていたはずなのに、天王洲になったり、首都高速の景色に見えたり、最終的には表参道の青い歩道橋のある道になったり。
絵全体を動かすような行為と自身の曖昧な記憶の解像度を愛し、思い切りよく筆を運びたい。そのためか最近は写真をみて描くことはあまりない。特定の場所であり、どこにもない場所、誰かにとってのある場所になると楽しい。